デジタル・リマスター版
カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランス映画「シェルブールの雨傘」が、最新のデジタル処理技術で色、音声、画面のひずみなどを修正されてよみがえった。1964年、カンヌ国際映画祭グランプリと国際カトリック映画事務局賞、フランス映画高等技術委員会賞を受賞した、ジャック・ドゥミ監督・脚本・作詞、ミシェル・ルグラン音楽・作曲による不朽の名作だ。じつをいうと、雪が降り積もったガソリンスタンドのラストシーンしか覚えていなかったのだが、冒頭からたちまち傘屋の娘で16歳のジュヌヴィエーヴ役、ドヌーヴの魅力に目を奪われた。恋人で自動車修理工の青年ギイ役を演じるニーノ・カステルヌオーヴォもなかなかハンサムでかっこいい。
セリフはすべて歌で表現するミュージカルなのだが、バックに終始流れる、いまとなってはあまりにも有名なテーマ曲の旋律と、みごとなハーモニーを織り成している。さすがはデジタルリマスター版だけあって、俳優の髪や肌のつやから衣装や家具、調度品、雨や空の色まで完璧(かんぺき)すぎるくらいに美しい。
徐々に思いだした物語だが、ジュヌヴィエーヴが母親から結婚の許しを得られないまま、ギイはアルジェリア戦線に出兵することになる。その前夜、2人は結ばれて、ジュヌヴィエーヴは身ごもるが、ギイの帰国を待つ2年間は、若い身空にはあまりにも長いのだった。しかも、ジュヌヴィエーヴには求婚者が現れて…。
31日から東京・道玄坂のシネセゾン渋谷で、こちらもドヌーヴ主演の名作「ロシュフォールの恋人たち」(67年)と抱き合わせで公開となる。(宝田茂樹)
産経ニュース
現代の映像処理技術ってすごいですよねぇ。
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